医薬品原薬・中間体の開発製造受託事業を行う
シオノギファーマ株式会社(本社:大阪府摂津市 代表取締役社長 久米 龍一、以下「シオノギファーマ」)、千代田化工建設株式会社 (本社:神奈川県横浜市 代表取締役社長 山東 理二、以下「千代田化工建設」)、大成建設株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社長 相川 善郎、以下「大成建設」)、藤本化学製品株式会社(本社:大阪市中央区 代表取締役社長 藤本 和将、以下「藤本化学製品」)、株式会社竹中工務店(本社:大阪市中央区 代表取締役社長 佐々木 正人、以下「竹中工務店」)、長瀬産業株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長 朝倉 研二、以下「長瀬産業」)、の6社は、医薬品原薬・中間体の連続生産技術の開発ならびに同技術を用いた開発製造受託事業を行う合弁会社設立(以下、「本合弁会社」)に関する合弁契約を締結いたしました。
1. 本合弁会社設立の目的
医薬品原薬・中間体を取り巻く環境は大きく変化しており、各種法規制の厳格化による高度な品質管理体制の構築や規制物質の徹底管理、グローバルに競争できる価格対応力の強化、納期遵守が求められています。さらに化学物質の取扱いにおける作業者保護、省エネルギーや環境保全に配慮されたサステイナブルな製造方法の確立も望まれており、特に昨年からのコロナ禍においては、医薬品開発の更なる加速化、医薬品原薬の安定供給網の確保も求められています。このような環境変化に対して連続生産技術※1を導入することにより、医薬品開発段階における製法開発期間の短縮、商用生産における省人化、省スペース化による効率化、高品質な医薬品の高度な品質保証が期待されます。この度、実効性ある医薬品原薬・中間体連続生産の実現を目指して専門技術・機能を有する企業が集結し、医薬品原薬・中間体の開発製造受託事業を行う本合弁会社を設立いたします。なお、本合弁会社設立は、2021年5月31日付でプレスリリースを行った「シオノギファーマ株式会社と千代田化工建設株式会社による医薬品原薬・中間体の連続生産技術の開発ならびに事業化を目的とした合弁会社の設立検討に向けた基本契約の締結について」に基づく合弁契約の締結によるものです。
2. 本合弁会社の概要
本合弁会社は治験原薬製造から商用生産に至るフルレンジ・ワンストップの医薬品原薬・中間体製造を提供いたします。お客様の多様なニーズにお応えするために、シオノギファーマ株式会社は3極対応・GMP準拠した製造実績も豊富に有しているバッチ製造技術※2による治験薬原薬製造事業を本合弁会社に承継させ、連続生産技術と既に確立されているバッチ製造技術の双方を用いた開発製造事業を実現します。これにより連続生産への変更メリットが大きい工程に連続生産を適用させる事が可能であり、加えて開発段階から連続生産を適用することで、高品質・プロセス安全性を担保しつつ医薬品開発を加速させることができます。
産官学や出資会社を含む各種パートナー企業との連携を強め、引き続き積極的に技術開発・新規技術導入を行いながら、事業を拡大することにより、世界に先駆けて連続生産を可能とする開発製造受託事業を展開し、医薬品原薬製造の変革を推進いたします。
現在、パートナー企業の一つとして、横河電機株式会社(本社:東京都武蔵野市)とも原薬・中間体の連続生産に係る技術開発について協議を進めています。
参考情報)連続生産の導入メリットについて
・ スケールアップレスであることからプロセス検討時間の削減による開発期間の短縮
・ 精密な微量不純物 (ICH M7対象など)制御による医薬品開発の成功確率向上
・ 常時インライン品質確認を可能とする品質管理ツール(PAT※3やRTRT※4等)の導入により、無人化・少人化を通じた人為的ミスの抑制
および生産性の向上
・ RTD※5に基づく不適合生成物の系外排除による医薬品品質の向上
・ 設備のコンパクト化による工場建築コスト低減、品質管理ツール等のITシステム導入による生産性の向上
・ 生産拠点を複数保有することがより容易になることで安定供給や生産リスクの分散化が可能
・ 封じ込めによる作業者リスクの低減、廃棄物及び環境負荷低減によるグリーンケミストリーへの貢献
※1 一定量の原料又は混合物を連続的に製造工程内に投入し、一定時間後に連続的に生産物を取り出す製造法
※2 原料を全量または分割して非連続的に製造設備に投入し、操作完了後、生産物を一斉に取り出す従来の製造法
※3 PAT:Process Analytical Technology、プロセス分析技術
※4 RTRT:Real Time Release Testing、リアルタイムリリース試験
※5 RTD:Residence Time Distribution、滞留時間分布
3. 合弁会社の基本情報
代表者 |
代表取締役:西脇 正憲(現シオノギファーマ 執行役員 技術開発本部長) |
住所 |
兵庫県尼崎市杭瀬寺島2丁目1番3号 |
設立年月 |
2021年11月(予定) |
事業開始 |
2022年4月(予定) |
株主構成 |
シオノギファーマ:50.6%、千代田化工建設:17.1%、大成建設:16.1%、 藤本化学製品:10.1%、竹中工務店:5.4%、長瀬産業:0.8% ※小数点第2位を四捨五入しております |
4. 合弁契約締結各社の概要
シオノギファーマ株式会社
シオノギファーマ株式会社はお客様から信頼される「技術開発型モノづくり企業」となることをミッションとして掲げ、2019年4月1日より事業を開始しました。原薬の製造法開発および製剤処方開発から商用生産に加え、分析法開発や医薬エンジニアリング技術による設備設計サポートなどを含めた「フルレンジサービス」を提供できる体制を整えております。
千代田化工建設株式会社
千代田化工建設株式会社は1948年の創業以来、石油・ガスといったエネルギーをはじめ、化学、環境、ライフサイエンス他の分野において、プラントの設計・調達・建設(Engineering, Procurement and Construction:EPC)を中心に、数多くのプロジェクトを世界各地で手掛けています。
大成建設株式会社
大成建設株式会社は1873年創業、1968年にエンジニアリング本部を発足して原薬プラントの設計・施工を行って以来、医薬・食品等のライフサイエンス分野をはじめ、幅広い分野の生産施設をお客様に提供してきました。
「人がいきいきとする環境を創造する」をグループ理念とし、自然との調和の中で、安全・安心で魅力ある空間と豊かな価値を生み出し、次世代のための夢と希望に溢れた地球社会づくりに取り組んでいます。
藤本化学製品株式会社
藤本化学製品株式会社は、1953年の創立以来、医薬品原薬および医薬品中間体の生産・販売を主とした事業展開をしており、最新の品質保証体制の下、高薬理活性製造設備を含む化学合成製造設備を複数保有し、開発から商用まで一貫したサービスを提供しています。
株式会社竹中工務店
株式会社竹中工務店は、「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」という経営理念のもと、時代が求める最良のソリューションを提供してきました。人々が安全に安心して暮らすための「まちづくり」にグループの総力で貢献するとともに、医薬品原薬の安定供給への様々な課題に対し出資企業様と連携し、未来のサステナブル社会を実現していきます。
長瀬産業株式会社
長瀬産業株式会社は、1832年の創業以来、化学品の輸出入を主軸に技術力、情報力を醸成し、ネットワークを構築して参りました。化学系専門商社の枠を超え、温もりある未来を創造するビジネスデザイナーとしてサステナブルな社会の発展に貢献いたします。
以 上