シオノギファーマ株式会社(代表取締役社長:久米 龍一、本社:大阪府摂津市、以下「当社」)の金ケ崎工場敷地内(岩手県胆沢郡金ケ崎町西根森山7番地)におきまして、ジクロロメタン(塩化メチレン)が屋外貯蔵タンクから敷地内に漏出しました。大雪に対し設備の一部が脆弱であったことが原因です。工場近隣の方はもとより関係各所の皆さまにご心配をおかけしておりますことに心よりお詫び申し上げます。
これまでに調査した漏出発生の状況および発生後の対応状況につきましてお知らせいたします。
■発生時の状況および原因につきまして
2021年1月5日(火)午後、ジクロロメタンの貯蔵タンク(容量:20kL)より約15kLが漏出していることを発見しました。
漏出発見時にタンクの排出弁が半分程度開いており、これが漏出原因です。タンク上部に大量の積雪があったことから、タンク上部からの落氷により
排出弁が開いた可能性が高いと判断しています。
■初期対応および岩手県への報告
1月5日(火):
事象発見後、直ちに工場から河川につながる水門を閉じるとともに、タンク周辺に残留していたジクロロメタンを回収いたしました。
※水門:通常時は工場からの雨水は全て雨水検水槽に集積され、定期的なモニタリングを行いながら工場外に排出しています。
1月6日(水):
午前に岩手県環境生活部(県南広域振興局)に報告しました。岩手県や金ケ崎町と協議のうえで雨水検水槽のジクロロメタン濃度を確認した結果、
全ての確認箇所でジクロロメタン濃度は基準値以下(排水基準値:0.2mg/L)でした。
1月7日(木):
国と岩手県により近隣河川7カ所を調査の結果、全ての確認箇所で基準値以下でした。
1月8日(金)
工場内の漏出現場付近より、高濃度のジクロロメタンが検出されたため、再度岩手県に報告しました。
■近隣の方への対応
岩手県や金ケ崎町からの指導の元、1月8日(金)および9日(土)に工場周囲半径1.2kmの住民および企業に地下水使用の有無を確認し、念のため
飲料には用いないようお願いするとともに飲用水を提供いたしました。
1月9日(土)時点で採水した15カ所の井戸水を調査したところ、すべての井戸で検出されていません。周辺井戸水については今後も近隣の方にご協力
いただき、調査を継続的に実施してまいります。
■工場敷地内・外のモニタリング調査
工場敷地内 | 工場敷地外/近隣の井戸水 | |||||
漏出現場付近(土壌水) | 漏出タンク周辺の既存観測点(土壌水) | 漏出タンク周辺の観測点(土壌水) ※漏出現場から20~100m付近※調査箇所は順次増やしています | 漏出現場から排水路に沿って東へ300m(土壌水) ※排水路に沿った土壌の数値が高い傾向があります |
雨水検出槽出口 漏出現場から東南へ560m ※敷地から外部へ排水している出口 |
15地点 | |
1月7日(木) | - | 検出されず | - | - | 0.02 mg/L |
- |
1月8日(金) | 7,800 mg/L |
0.01-0.03 mg/L | - | - | 0.01 mg/L |
- |
1月9日(土) | 1,340 mg/L |
検出されず | - | 5.1 mg/L |
0.01 ㎎/L未満 |
検出されず |
1月10日(日) | 0.05mg/L | 0.28~0.50mg/L |
1月10日(日)数値は12:00までの分析結果の数値です。
今後も定期的にモニタリング調査を行い、近隣の方や県にご報告いたします。
■対策
現在、漏出が発生したタンクは漏出が発生しないよう緊急対策を行っております。今後、恒久的な対策として、同様の落氷が発生しても排出弁が
開かないように構造上の対策を早急に検討してまいります。
当社は岩手県や金ケ崎町と協力して、敷地内および敷地外のモニタリングを継続して実施し、拡散防止につとめるとともに、早期の事態解決に向けて
全力で取り組んでまいります。
<ご参考>
ジクロロメタン:
無色透明、揮発性の液体。水にほとんど溶けず、水より重いため、水中では下層側に分離する。難燃性のため、通常は引火・火災の危険はない。
発がん性の恐れや、眼に刺激性があり、労働安全衛生法では特定化学物質に指定されている。
以上