安全な環境構築は、飛散状態の視覚化から

抗がん薬には、健常者には危険な特性となる物質が数多く存在します。抗がん薬を取り扱うメディカルスタッフを抗がん薬による職業性曝露から守ることが極めて重要です。そのためには、飛散状態を数字としてしっかりと視覚化し、安全な環境を整える必要があります。
シオノギファーマの抗がん薬曝露調査は、当社が特許を保有するサンプリングシート法をはじめ、ワイプ法・抽出法など、場所やシチュエーションに合致した調査・分析を行います。

環境モニタリング

サンプリングシート法(特許 5846775/6055809)

調査したいカ所に、3層の粘着シート「サンプリングシート」を貼り、一定期間後に剥ぎ取り、送付するだけと簡単に取り扱えます。貼付した時点をゼロとし、抗がん薬の使用量と汚染量の関係を考察。閉鎖系器具導入前後の評価等、前後比較には最適な測定法です。

  • 誰でも容易かつ安全に正しく測定する、特許を取得した独自の技術です。
  • 3サイズを用意しています。作業台、点滴下(床)、廃棄ボックス前、トイレ、キャビネットなど、場所や用具に合わせてお選びできます。シートは、サイズに合わせてカットも可能です。
  • サンプリングシートを貼るだけなので、ハンドリングも容易です。個人差が現れにくく、暴露量を正確かつ簡便に測定することができます。

ワイプ法(拭き取り法)

布(コットン)に拭き取り用液を滴下し、測定対象場所を拭き取ります。拭き取ったワイプを専用のチャック付き袋に入れます。それらを定量分析することで、残留量を算出します。現在の清掃方法が正しいかどうかを数値で確認したい場合や、暴露調査のスタート時に最適です。

抽出法

ダイレクトに各種PPE(個人防護具)や使用資材等を調査。お使いの手袋、ガウン、シューズカバーなどに飛散した量を測定します。使用したPPEをチャック付き袋に入れ、それらを回収し、分析します。

  • ガウン:全身/上半身の2サイズ 当社からガウンを送付
  • 手袋:当社から手袋を送付もしくは病院の手袋(ニトリル製のみ)で調査 1検体=1組
  • 腕カバー:調製時の調査で主に採用 当社からカバーを送付

生物学的モニタリング

抗がん薬を取り扱うメディカルスタッフの唾液や尿を採取し、それらに含まれる特定薬物量を測定します。メディカルスタッフみなさまの健康管理のための定期モニタリングに最適です。

尿中濃度測定

検体容器に少量(約10mL)採取し、測定します。
調査薬剤:シクロフォスファミド、白金製剤
※各薬剤で30検体未満の場合は、ほかの依頼とあわせ、合計30検体になってから分析を行いますのでご了承ください。
<採取例>
① 抗がん薬を多量に取り扱う24時間の毎尿(約7検体)
② 抗がん薬を多量に取り扱うが多い週の休日前後 例)金曜の帰宅前と月曜の朝の2検体

唾液濃度測定

検体容器に少量(約1mL)採取したものから測定します。
調査薬剤:シクロフォスファミド・白金製剤
※各薬剤で5検体未満の場合は、ほかの依頼とあわせ、合計30検体になってから分析を行いますのでご了承ください。
<採取例>
抗がん薬を多量に取り扱う日の作業終了時

曝露対策製品の性能評価

実際の抗がん薬を使用し、各種製品の評価を行うことができます。なお、安全に取り扱いできる偽薬での評価も対応可能です。

透過試験

  • 調剤時に使用した器材、使用後の輸液セットなどの各種器具を測定します。
  • 実作業に用いる手袋、ガウン内面への曝露量を評価。他社製品との漏れの比較も行えます。
  • 閉鎖式接続機器の開発段階において、効果検証を定量的に測定することもできます。同一条件で他の製品と比較することで、自社の閉鎖式接続機器の優位性を客観的データで示すことができます。

清拭液の性能評価

清拭液による不活化処理前と処理後での抗がん薬曝露量を測定し、清拭液の不活化の優位性を評価することが可能です。