2021/11/09

シオノギファーマのEHSへの取り組み(1)
~ プラスチック包装資材等の環境負荷低減の取り組み ~

 “EHS”とはE: environment、H: health、S: safety、すなわち環境・衛生・安全を意味します。事務や営業など、どのような職業でも安全な労働環境や環境への配慮は必要で、EHSは重要なことがらだと言えます。「医薬品の生産」においては、ヒトに対して高い活性を有する医薬品原薬を扱うため、想定されるリスクはさらに多岐に亘ります。

 シオノギファーマ株式会社(以下、シオノギファーマ)では、リスクの抑止に加え、人々の健康の維持増進と快適な生活に貢献する企業として“社会とともに”成長し続けるために、SDGs でも掲げられている環境保護を重要視し、製品品質を維持しながら製品の環境負荷低減*1に努めています。

 このさき、シオノギファーマにおけるEHSの活動内容をシリーズで数回に亘り発信いたします。第一回は「プラスチック包装資材等に関する環境負荷低減の取り組み」を紹介します。シオノギファーマはモノ造り企業としての責任を重くとらえ、バイオマス資材やメカニカルリサイクル資材への切り替えによりCO2排出低減をおし進めるほか、プラスチックの使用回避・再資源化など、使用量削減の取り組みを行っています。

シオノギファーマの本社オフィス(摂津工場内)

CO2の排出低減の取り組み

●バイオマスポリエチレンボトルの採用

 錠剤・カプセル剤等のボトル包装品に対して、植物由来の原料から製造されたバイオマスポリエチレンを使用したボトルへの切り替えを行っています。通常のポリエチレンが石油を原料とするのに対して、バイオマスポリエチレンはサトウキビの製糖残渣を原料として製造されます。原料のサトウキビは成長段階でCO2を吸収するため、廃棄物として焼却される際のCO2排出量をゼロとみなすことができます(カーボンニュートラル)。このため、石油由来のボトルと比較すると、CO2排出量を70%削減できます。(2020年度実績:6,260kg-CO2削減)

 シオノギグループの医療用医薬品としては、2016年にカプセル製品に採用して以降、対象品目を拡大しており、これまでに延べ4成分(6品目)*2に採用しています。現在も、さらに対象品目拡大のための技術検討を行っています。

 なお、シオノギファーマで採用したバイオマスポリエチレン容器は、原料の90%以上にサトウキビ由来のポリエチレンを使用しており、日本バイオプラスチック協会が定めるバイオマスプラ識別表示基準に適合しています。(対象製品にはバイオマスプラ・シンボルマークを表示しています)。

 医薬品は一般的に非常にデリケートで、投与後の体内での吸収挙動等、薬としての有効性や安全性に深く関与する品質を、厳重に包装することによって経時的に維持している場合が少なくありません。このため、たとえ環境的に優れているからと言って簡単にボトルなどの包装資材を変更できるわけではありません。品質等への影響がないことをそれぞれの製品について実験を積み重ね、その後に初めて切り替える、という、年単位の時間や労力をかけながら、切り替えを実現しています。

 

メカニカルリサイクルPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムの採用

 リサイクル材料であるメカニカルリサイクルPETを使用したフィルムを医療用医薬品のPTPやSPを収納するピロー包装に対して初めて採用しました。メカニカルリサイクルPETとは、使用済みPETボトルを粉砕・洗浄した後に高温で溶融・減圧・ろ過などを行い、再びPET樹脂に戻したものです。石油から製造されるPET樹脂の使用量を低減することで、従来のPET樹脂と比較してCO2排出量を24%削減できます。(2020年度実績:111kg-CO2削減)

 シオノギグループの医療用医薬品としては、2019年に錠剤製品1成分2品目に採用しました。現在も、他の製品に採用拡大するための技術検討を行っています。

 なお、本容器はPET原料の80%以上にリサイクルPETを使用しており、日本バイオプラスチック協会が定めるバイオマスプラ識別表示基準に適合しています(対象製品にはリサイクル材料を使用している旨の表示をしています)。

 

プラスチックの使用量削減・再資源化の取り組み

プラスチック緩衝材の廃止

 ボトル製品を外的衝撃から保護するために装着していたプラスチック緩衝材を、脱プラスチックの観点から廃止を進めています。2022年度中にすべての対象製品で廃止が完了する予定です。(2020年度実績:40kg-CO2削減)

 衝撃保護機能を維持するために、各製品に応じて緩衝機能を付与した個装箱を新たに設計することで、製品の品質と環境対応を両立しています。

 

プラスチック再資源化の取り組み

 プラスチックの再資源化には、サーマルリサイクル(熱量化)、マテリアルリサイクル(再生利用)、ケミカルリサイクル(ガス化・油化)があります。シオノギファーマではサーマルリサイクルにより固形燃料化する再資源化を選択しています。

 右の図はシオノギファーマ全社の製造活動の過程で発生する廃プラスチックの再資源化の状況を示しています。再資源化の対象は包装に用いるPTPシートの廃材が最も多く、再資源化率は年々向上していますが、昨年度は社内で目標としている再資源化率30%にわずかに届きませんでした。今後、廃材の低減に加え、再資源化を促進してまいります。

 今回紹介した内容以外にも、環境対応に向けた技術開発を検討中です。シオノギファーマはこれからも環境保護に貢献できる製品包装対応を進めて参ります。

 シオノギファーマはシオノギグループの一員としてCO2削減などの環境問題に取り組んでおり、その活動計画や成果は「環境報告書」にまとめられています。

 

*1:環境負荷低減としてのCO2削減量は、仕様変更前の包装仕様を維持した場合と比較した数値となっています。

*2:2021年8月16日に製造販売承認取得した品目を含みます。