2021/03/23

外部滑沢打錠技術のご紹介
~ 錠剤の品質向上に貢献するソリューションのご提案 ~

 シオノギファーマ株式会社 (以下、シオノギファーマ) は、打錠工程中に打錠用臼・杵に連続的に滑沢剤を少量噴霧し打錠する、外部滑沢打錠技術【特許取得済み】を保有しております。これは豊富な実績を誇る、シオノギファーマのお家芸とも言える技術です。

 本技術は、従来の内部混合法(滑沢剤を打錠用粉末もしくは顆粒と事前に混合する、図1参照)と比較し、処方全体に対する滑沢剤の比率を下げることが可能です。滑沢剤は錠剤の製造に不可欠な添加剤ですが、様々な課題を引き起こす場合があります。今回はメリットに加えて課題解決事例も紹介いたします。

 

●外部滑沢打錠技術のメリット

 滑沢剤とは、医薬品添加物の一種であり、錠剤の製造に不可欠な成分です。錠剤の原料となる粉末や顆粒に少量 (1~3%) 加えると、圧縮時に使用する打錠用臼・杵と錠剤間の摩擦を緩和し、スティッキング*1などの打錠障害を抑制することができます。その反面、滑沢剤の添加は薬物との相互作用により薬物の安定性が低下したり、錠剤硬度および溶出性が低下したりするなど、錠剤の処方を設計する上で課題となりえます。

 一方、外部滑沢打錠技術とは、特殊な噴霧システム*2により、滑沢剤を連続的に打錠用臼および上下杵表面に微量噴霧した後に、打錠用顆粒の充填・打錠を行う手法です。打錠用臼および上下杵の表面に均一で薄い滑沢剤の被膜が形成され、錠剤との摩擦を軽減するため、微量の滑沢剤添加で打錠障害を抑制可能です。加えて、錠剤表面に存在する滑沢剤は約0.1%以下で制御できるため、薬物との相互作用が低減し、薬物の安定性や溶出性を改善することが可能です。

*1 杵に錠剤が付着し、錠剤の一部が剥がれる現象

*2 参考文献: 製剤機械技術研究会誌(J. Jpn. Soc. Pharm. Mach. & Eng.)18(4)5-17(2009)

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●弊社における外部滑沢打錠技術の適応事例

 外部滑沢打錠技術の適応により、品質改善を達成した事例や評価事例をご紹介します。

 

事例1) 薬物の安定性の改善【特許取得済】*3

 内部混合法により滑沢剤を添加して製した錠剤を40℃、相対湿度75%で保管したところ、薬物と滑沢剤が反応し、分解により薬物の相対残存率(保管開始時の薬物の含量を100%とした場合の保管後の薬物の残存率)が低下しました。そこで外部滑沢打錠技術を適応した錠剤を同様の条件で保管したところ、長期間において薬物の安定性が顕著に改善しました。

*3 特許公報 特許第4573542号

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事例2) 錠剤硬度の向上と崩壊時間の短縮

 内部混合法と外部滑沢打錠技術で製した錠剤の物理特性を比較しました。外部滑沢打錠技術を適応すると、錠剤硬度は上昇し、一方で崩壊時間は短縮しました。通常、錠剤硬度が高いと崩壊時間が長くなるという反比例の関係にありますが、本技術を適用することで、錠剤硬度と崩壊性を同時に改善することに成功しました。

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 外部滑沢打錠技術は、一般的な単層錠の打錠工程に適用するだけでなく、特殊製剤の一種の口腔内崩壊錠や積層打錠技術などにも適応可能です。特に、高い錠剤硬度と速やかな崩壊性が求められる口腔内崩壊錠の処方および製法設計に対し、本技術の適応は効果的です【特許取得済】*4

*4 特許公報 特許第3996626号、特許第5366233号

 

 シオノギファーマでは、実験機、治験薬機および商用機のいずれの打錠機にも外部滑沢噴霧装置を接続することが可能であり、テスト検討、治験薬から商用生産まで、幅広いGMP受託製造を承っております。

 

 シオノギファーマは、お客様から信頼される 「技術開発型モノづくり企業(CDMO*5)」 となることをミッションとして掲げ、2019年4月1日より事業を開始しました。原薬の製造法開発および製剤処方開発から商用生産に加え、分析法開発や医薬エンジニアリング技術による設備設計サポートなどを含めた 「フルレンジサービス」 をワンストップでご提供できる体制を整えております。

*5 CDMO:Contract Development Manufacturing Organization