2020/12/08

ナガセ医薬品のDrug Delivery System注射剤の開発・製造技術
~ お客様のニーズにあった、提案型のDDS製剤開発のご紹介 ~

 ナガセ医薬品株式会社(以下、ナガセ医薬品)は2020年10月1日にシオノギファーマ株式会社(以下、シオノギファーマ)の傘下に入り、新たなスタートを切りました。今回は、ナガセ医薬品が所有するDDS*1注射剤の開発・製造技術の一端を紹介させていただきます。是非、2020年11月10日配信News Letter vol.8の「高薬理活性注射剤の製造設備について」と併せてご覧ください。

 

*1 DDS:Drug Delivery System

DDSとは

 DDSとは、体内での薬物分布を制御することで、薬物の効果を最大限に高め、副作用を最小限に抑えることを目的とした技術であり、患者のQOL*2を向上させることができます。また、低分子医薬品のDrug Repositioning*3や中・高分子医薬品(バイオ医薬品、核酸医薬品、ペプチド医薬品等)のキャリアとしてもDDS技術が注目を浴び、創薬の重要なツールの1つとなっています。昨今では、ナノテクノロジーを活用したDDS技術「ナノDDS」の技術革新が進み、現在、多くのナノDDS技術を用いた新薬が開発されています。

 

*2 QOL:Quality of Life

*3 Drug Repositioning:既存のある疾患に有効な治療薬から、別の疾患に有効な薬効を見つけ出すこと

DDS

 

ナガセ医薬品のDDS注射剤の開発・製造技術

 ナガセ医薬品では、2004年に初めてナノDDS技術を活用した高薬理活性注射剤の治験薬製造受託を開始し、現在までにリポソーム*4医薬品、LNP*5医薬品、高分子ミセル医薬品等10品目以上のDDS注射剤の製造実績を積んでまいりました。また、DDS注射剤の自社開発を通じて獲得した豊富な製剤開発・分析法開発等のノウハウ、規制当局の相談業務の利用により培ったDDS製剤に関する国内レギュレーションへの対応力、積極的な各種DDS製造設備や技術導入により、お客様のニーズにあった提案型の開発・製造受託が可能です。

 

*4 リポソーム:細胞を取り囲む細胞膜の主要構成成分である、脂質を用いたカプセル(=リポソーム)に薬剤を封入した製剤のこと。カプセルの大きさはナノメートル単位と非常に小さく、カプセル化することで、薬剤を体内の必要な箇所に選択的に届けることができる。さらに放出量をコントロールすることによる副作用の低減や、持続性のコントロールが可能となる。

*5 LNP:Lipid Nano Particle(脂質ナノ粒子)

 

1)DDS注射剤の製造設備

 ナガセ医薬品では、複数のDDS注射剤の製造設備をラボ及び高薬理活性注射棟に導入しており、製剤設計からGMP対応の治験薬製造、商用製造まで幅広く対応することができます。近年では、最新のマイクロ流路デバイスの導入を進めており、当該技術を活用した開発・製造受託を積極的に取り組んでいます。また、高薬理活性注射棟には、DDS注射剤製造用の液調製エリアや製造設備の保管エリアを有し、委託元からDDS製造設備を持ち込んで受託製造を行うことも可能です。

 高薬理活性注射棟の設備概要につきましては、「高薬理活性注射剤の製造設備について」をご参照下さい。

DDS_ichiran
extruder_microfluidizer

 

2)DDS注射剤の試験機器

 ナガセ医薬品では、DDS製剤特有の特性解析のための試験機器も所有しており、製造中の工程試験や製品試験も対応可能です。また、ナガセ医薬品で所有していない一部の試験機器については、シオノギファーマとの連携等により当該試験機器を利用できる環境を整えています。

DDS_shikenkiki

*6 平成28年3月28日薬生審査発0328第19号『リポソーム製剤の開発に関するガイドライン」について』における「製剤の特性解析」より引用  

  https://www.pmda.go.jp/files/000211460.pdf

 

 シオノギファーマグループは、お客様から信頼される「技術開発型ノモづくり企業(CDMO*7)」となることをミッションとして掲げ、2019年4月1日より事業を開始しました。原薬の製造法開発および製剤処方開発から商用生産に加え、分析法開発や医薬エンジニアリング技術による設備設計サポートなどを含めた「フルレンジサービス」をワンストップでご提供できる体制を整えております。

 

*7 CDMO:Contract Development Manufacturing Organization