2020/11/10

シオノギファーマの新型コロナウイルス対応について

~ Withコロナ時代の医薬品工場の今1

 医薬品供給は、感染症や災害時においても絶対に止めることができません。シオノギファーマ株式会社(以下、シオノギファーマ)は2020年10月末の段階で未だ陽性者を出すことなく、医薬品の安定供給を継続しています。これは2020年2月ごろの新型コロナウイルス感染初期の段階から経営トップ主導による対策本部を設置し、従業員の安全対策を第一義に考えたうえで安定供給の確保を図った成果と考えています。

 今回は、私たちの新型コロナに関する取り組みを紹介します。

 

緊急事態宣言下~働き方の変革

 シオノギファーマでは2020年4月の緊急事態宣言下、全ての会社と同様に働き方の変革を余儀なくされました。しかし、供給を継続するため生産活動はStopできません。このため生産や技術開発など、組織毎に業務内容に相応したフレキシブルな在宅制度の取り入れや自家用車通勤など、必要な施策を考え、取り入れました。しかし、この間、業務上の課題が種々顕在化しました。営業職は顧客を訪問できない、生産現場では従業員の製造所間移動ができず効率が低下する、全ての従業員の心身のストレスが大きくケアが必要となる、などです。

 しかし、御家族を含む従業員の安全を確保しながら、コミュニケーションツールを最大限に活用し、業務の優先順位を明確にすることで対処し、最終的には、課題は浮上したものの安定供給をやり切ることができました。ただし、一番リカバリーが難しかったのは営業活動だったと考えています。

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初期から現在に至るコロナ対策~安全と供給の両立

 シオノギファーマにおいてはいち早く対策本部を設置し、短時間ですが毎日対策会議を行いました。またルールを設定し、それが厳格に守られるよう周知し、即実行しました。すなわち、マスクの着用と検温・体調確認を義務付け、体調不良時のモニタリング、職場復帰基準の設定、感染者が発生した際の対応手順、生産系とオフィス系従業員の接触機会の最小化などのルールを設定し、通勤時の感染リスク低減により工場内のクラスターの予防を徹底しました。

 最も大切なのは従業員一人ひとりが高い意識を持って柔軟に状況を判断しながら最善の対応が取れるよう、自ら考え、感染予防のための慎重かつ賢明な行動を行うことです。このために社長が複数回に亘って新型コロナに関する従業員へのメッセージを出し、継続的に状況の説明を行い、従業員にお願いしたいこと、生産活動継続への感謝などを発信しています。

 ただ、このような対策をとっても感染が広がれば工場機能の停止は免れないため、生産能力を上げ、通常以上の安全在庫を確保することで、稼働停止によるリスクを低減するべく活動しました。

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Afterコロナを見すえた新たな取り組み

 今後も、私たちはwithコロナに配慮しながら安定供給を行う必要があります。それだけではなく、ワクチンなどの緊急的な医療ニーズへの生産対応や、安定供給に必要な効率的生産を実現するための技術革新や新棟建設なども行っていかなければなりません。そのためには、New Normalと呼ばれる新たな働き方の整備、Crisisがあっても供給を継続できる調達計画の見直し、他社とプラットフォームを形成することによる生産供給体制の強化、そしてお客様に安心して委託していただくためのBCP取り組みの計画策定とその発信が必要であると考えています。

 実際、生産委託先や原料のベンダーを選定する際に、開発段階からリスクの低い国内メーカーと組む考え方もあるのではないかとより一層考えるようになりました。実は今回、調達における緊急案件として、インドが化学品(原薬)の輸出制限をかけたため、インドに生産委託していた原薬が品薄となり、急遽異なるソースを探索・調査する、という対応が必要となりました。幸いなことに輸出制限は解除されましたが、カントリーリスクについて見直すきっかけになったと考えています。基礎的な化学品と医薬用原薬原料の生産がほぼ海外依存している状況は、国の安全管理上大変重要な課題であると国や国民が考え直す機会になりました。弊社も国や関係企業との協議を開始していますが、国のレベルで体制再構築を目指す必要があると考えています。

 また、今後の新たな取り組みとして、DX(Digital Transformation)はあらゆる領域で必須にあると考えています。例えばリモート監査などが当たり前になることを踏まえ、監査を受ける側(工場)も大きく変わっていくことは必然と考えています。

CDMO

 シオノギファーマでは、新型コロナウイルスの罹患について以下のように社長から従業員に発信しています。
「普通に配慮しつつ生活していて感染するのは、その人の責任ではありません。陽性者が出たときの周囲の対応こそ大切だということを、改めて全ての方に肝に銘じて頂きたいと思います。最も大切なのは、万が一罹患してしまったとき、御家族も含めて周囲に拡大しないことです。それが適切に出来る方こそ、私たちが目指す社会人像ではないかと思います。」
 私達はこの先も安全に最大限配慮しながらも、先を考え、変わるべきところは変え、世界の医療環境の発展と改善に貢献できるプラットフォーマーへと進化を続けていきたいと思います。

 シオノギファーマグループは、お客様から信頼される「技術開発型ノモづくり企業(CDMO2)」となることをミッションとして掲げ、2019年4月1日より事業を開始しました。原薬の製造法開発および製剤処方開発から商用生産に加え、分析法開発や医薬エンジニアリング技術による設備設計サポートなどを含めた「フルレンジサービス」をワンストップでご提供できる体制を整えております。

 

1 本記事は、2020年10月23日に行われた株式会社シーエムプラス主催の医薬品工場フォーラム「Withコロナ時代の医薬品工場の今」にて、シオノギ
   ファーマ代表取締役社長 久米龍一が話した内容を中心に作成したものです

   https://www.gmp-platform.com/PFForum2/

2 CDMO:Contract Development Manufacturing Organization

 

2020年10月23日に行われた株式会社シーエムプラス主催の

医薬品工場フォーラム「Withコロナ時代の医薬品工場の今」での登壇時の様子

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