2020/10/27

元素不純物の高感度分析技術のご紹介

~ ICH Q3Dに対応するソリューションをご提供 ~

 

 日局第十七改正第二追補にICH Q3D*1(医薬品の元素不純物ガイドライン)の内容が収載され、さらに厚生労働省通知*2により、元素不純物の管理規定が日局第十八改正に収載予定である旨が示されました。

 今後、新薬(製剤及び原薬)のみならず、既存の医薬品、ジェネリック医薬品、一般用医薬品、さらには添加剤においても、元素不純物についての取り組みが求められることになります。シオノギファーマ株式会社(以下、シオノギファーマ)では、ICH Q3Dに対応する受託試験を開始しており、ソリューションの提供が可能です。

 ICH Q3Dでは下図のように許容一日曝露量が元素毎・投与経路毎に定められています。従来の日局のヒ素試験法や重金属試験法では検出感度、特異性共に課題がありましたが、今回、高感度かつ元素ごとに特異性の高いICP発光分光分析法(ICP-AES)やICP質量分析法(ICP-MS)を用いた定量分析により、これらの課題が解決されました。

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元素不純物の混入経路

 元素不純物の混入経路としては以下のようなものが考えられます。金属触媒等を使用しないプロセスであっても、混入の可能性は否定できません。リスクアセスメントを行い、リスクありと考えられる元素については、評価が必要です。

 

①   原薬、添加剤、原料

・製造工程で意図的に添加された触媒、無機試薬に由来
・原料の不純物として混入
・製造設備・器具から混入
・製造工程で使用する水、溶媒から混入
・容器・施栓系(直接容器・栓)から混入(溶出)

 

②   製剤

・原薬または添加剤の不純物として混入
・製造設備・器具から混入
・製造工程で使用する水、溶媒から混入
・容器・施栓系(直接容器・栓)から混入(溶出) 

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試料調製

 通例、製造所に併設された分析ラボでは、交叉汚染が懸念されるセフェム系などの抗生物質を取り扱うことが難しいですが、シオノギファーマでは、一般薬から抗生物質を含む高薬理活性物質まで多種多様な検体を取り扱え、測定が可能です。製薬企業の分析ラボとしての経験を活かし、マイクロウェーブによる分解手法などを駆使することで、測定対象の剤型を限定することなく、多様な試料マトリクスや目的の元素・化合物に合わせて、試料調製法を最適化するソリューションの提供が可能です。

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分析

 シオノギファーマでは、ICP-AESおよびICP-MSを用いた、元素不純物試験法の設定(試験法の設定、分析法バリデーション、実測値測定など)が可能で、高感度(許容濃度の1/10以下レベルの定量限界)な定量分析によりICH Q3Dの要求に対応します。また、分析ラボは海外当局の査察経験を有しており、Data Integrityに対応した、海外申請へも適応可能な信頼性の高いデータが提供可能です。

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評価事例

 シオノギファーマでは、以下の事例のような開発ステージ(開発初期~商用)に応じた元素不純物評価に関するソリューションの提供が可能です。試験法設定だけでなく、管理戦略の立案など、お客様のご要望に沿った提案をさせて頂きますので、ぜひご相談ください。

 

<開発初期品の事例①>

 開発初期の原薬(難溶性)におけるICH Q3Dのクラス1/2A/2B/3並びにEP9.0<5.20>Metal catalyst or metal reagent residuesを参照してリスクを評価する全20元素をピックアップし、マイクロウェーブ分解装置により試料調製を行い、ICP-MSを用いて一斉分析による元素スクリーニングを行いました。

 

<商用品の事例②>

 難溶性の添加剤を含む経口固形製剤Aに関する元素不純物測定法(マイクロウェーブ分解装置+ICM-MS)の試験法設定を行い、分析法バリデーションを実施しました。下表にバリデーション結果の一部(クラス1元素不純物の例)を示します。

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 シオノギファーマは、お客様から信頼される 「技術開発型モノづくり企業(CDMO*3)」 となることをミッションとして掲げ、2019年4月1日より事業を開始しました。原薬の製造法開発および製剤処方開発から商用生産に加え、分析法開発や医薬エンジニアリング技術による設備設計サポートなどを含めた 「フルレンジサービス」 をワンストップでご提供できる体制を整えております。
 シオノギファーマでは元素不純物以外にもニトロソアミンなどの有害物質、残留溶媒(ICH-Q3C)、変異原性不純物(ICH-M7)など、各種不純物の分析法設定や管理戦略の御相談を承っております。ぜひご相談ください。

 

*1 ICH Q3D (医薬品の元素不純物ガイドライン) https://www.pmda.go.jp/files/000235612.pdf

*2 厚生労働省通知(令和元年6月28日薬生薬審0628第1号)第8項(2)参照 https://www.pmda.go.jp/files/000230314.pdf

*3 CDMO:Contract Development Manufacturing Organization